VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 Mk-II 分解・測定

2024年07月20日 カテゴリー:修理・改造・解析




以前、いろいろな電源のノイズ測定やCaline CP-205の改造を行いました。今回は、割と最近(2023年6月)発売されたVITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 Mk-IIについてどのようになっているか調べました。



▽旧機種VA-05 ADJ 基板画像(今は手元になく低解像度写真です。)

9V固定ポートはトランス→リニアレギュレータ、可変ポートはトランス→非絶縁型DC-DCコンバータ→トランジスタのリップルフィルタという形式のようです。

▽VA-05 Mk-II 基板画像

<主なIC>
HYG110P04:P-Channel MOSFET
D882M:NPNトランジスタ
EL3H7:フォトトランジスタ
VITOOS OV-2304:特注IC?
OC6800B:DC-DCコンバータ

ICや基板に印字がある通り、製造はVITOOSのようです。トランスが別々になり、全てのポートが同じ回路のように見えます。DC-DCコンバータにはいろいろな回路形式がありますが、おそらくフライバック式です。Strymon Ojaiを意識してあるのではないかと思います(参考:Strymon Ojai Gut Shot Pictures)。出力部にはトランジスタのリップルフィルタがあります。



【電圧測定】
 9V 30mA9V 250mA9V 500mA12V 40mA12V 333mA18V 60mA
19.16V8.88V----
29.16V8.89V----
39.18V8.90V----
49.27V9.04V8.82V12.40V12.16V18.54V
59.26V9.01V8.80V12.38V12.14V18.52V

同じ出力電流のポートであれば値はそろっており、この個体についてはカレントダブラーケーブルを使っても大丈夫でしょう。12Vや18V設定の時は少し高めの電圧が出ています。



【ノイズ測定】
以前と同様オーディオインターフェイスに接続して測定しています。

低音域のノイズは多めとなっていますが、全体としては充分低ノイズです。各ポートで微妙にノイズの差が出ており、なぜか2番ポートは消費電力が大きい機器(エアコン等)の影響を受けやすいようです。

・電流、電圧を変更した場合

電流が大きくなると、10kHz以降のノイズが増える傾向にあります。電圧を変えた場合のノイズ増加はわずかのようです。