Cool Face

2023年10月13日 カテゴリー:修理・改造・解析




第2回改造エフェクターコンテストに向け、デジタル制御で温度管理ができるゲルマニウムファズを製作しました。ゲルマニウムトランジスタを温めるファズとしてはBenson Amps Germanium Fuzzがすでにあったので、アイデアとしては特に目新しくはないかもしれません。しかしながら、ペルチェ素子という加熱と冷却両方可能な部品をいつか使ってみたいと思っていたのでいい機会でした。

オリジナルの自作エフェクターでも応募可能だったのですが、やはり見た目のインパクトは重要だろうということで、たまたま安く手に入ったFFM1 SILICON FUZZ FACE MINIを利用することにしました。ペルチェ素子は本体の片側に放熱器を付ける必要があるため、必然的にケースを別途取り付けるという大掛かりな形になりました。



▽回路図

FFM1はバイパス部分を利用していますが、メインの回路はほぼ別物で、別途負電源も準備しています。マイコンは使い慣れているSTM32です。


▽取扱説明書
コンテスト応募時に同封した説明書です。

内部にバイアス電圧調整トリマーがあるので、ある程度自由に音色調整できます。今回はコンテスト用に25℃付近でFFM1の元の音に近いように調整しました。温度が低い時にはゲインが少なくなりやや大人しい感じに、温度が高いと激しい感じの音色に聞こえるかと思います。温度が40℃を超えてくると、リーク電流が大きくなる影響でブチブチとした感触となります。

第2回改造エフェクターコンテスト第1次審査突破作品紹介動画【Part.1】の最後の方で本機が紹介されています。


最終審査の結果、BARKS賞をいただきました!以下にインタビュー記事が掲載されています。
<第2回改造エフェクターコンテスト>BARKS賞は、温度管理でサウンド激変の奇怪マシーン