マイコンのA/D・D/A変換のノイズ調査

2026年09月12日 カテゴリー:実験等


アナログコーラスやアナログディレイでは、BBDと呼ばれる遅延素子が使われています。BBDは今でも手に入りますがやや高価で、安価なマイコンを使ってBBDの代わりにできないかと考えました。できるだけシンプルにするために、マイコン単体でA/D変換とD/A変換を行い、どの程度のノイズになるのかを確認します。


■ アナログスルー

まずはA/D・D/A変換は行わずにアナログ部分だけを通し、マイコン動作のみによる影響を調べました。電源はアナログ・デジタル共通、グラウンドは一面プレーンとなっています。マイコンは、STM32F722RET6です。

何も動作させない場合でも少し影響があります(シールドケースに入れていないので、商用電源のノイズも入っています)。さらに、GPIOのトグルを行うとトゲ状のノイズ成分が発生しました。このノイズは電源やグラウンドの引き回しによっては改善できるかもしれません。

■ BBD

BBD搭載エフェクターのディレイ音のみのノイズを確認しました。プリエンファシス・ディエンファシス、ローパスフィルターといった回路があるため、BBDそのもののノイズではありません。

ARION SCH-Zは低ノイズで、MXR Carbon Copyはディレイタイムが長いときのノイズが大きいです。

■ A/D・D/A変換

マイコンのADC・DAC(またはPWM)を使用します。サンプリング周波数はおおよそ100kHzです。

PWMでは、デューティ比を変化させることでDACとして動作させています。12ビットにすると可聴域外のノイズが大きすぎるためか、うまく測定できませんでした。PWM 8bit+8bitでは、16ビットのデータの上位8ビットと下位8ビットをアナログ回路で加算して出力します。8ビット単体とそこまで差がないので、どこかにミスがあるかもしれません。

12ビットDACを使用した場合が最も低ノイズですが、あまり実用的なレベルではなさそうです。周辺回路を追加したり、より性能がよいマイコンを使ったりすれば改善できる可能性はあります。ただ、結局は低価格なオーディオコーデックを使用した方がよいと思われます。