POS DT-1 DISTORTION 解析

2026年01月09日 カテゴリー:修理・改造・解析




POS DT-1(以下POS)は低価格なエフェクターの中で特に知名度が高く、同人誌(→ POSCOLLECTORBOOK、以下POS本)も発刊されています。 数年前、その同人誌の企画者の方からPOSを譲り受けました。今回、その方の許可を得て解析記事を掲載することにしました。 KiCadデータ(基板画像入り)とLTspiceの回路図データはGitHubにあります。


【回路図】


POS本でのPOSの分類は最初期型/前期型/後期型/最終期型とされています。 記事先頭にある写真は最初期型、回路をトレースしたのは前期型です。最終期型でBOSS DS-1のコピーとなるまで、基本的には同じ回路のようです。 HCF4007でスイッチを構成し、バッファー無しのバイパスとなっているのが特徴的です。


【元になったエフェクター】

通常、安価なエフェクターは他の回路のコピーとなっていることが多く、POSの回路も何か別のエフェクターが元になっていると思われます。Xでのペダ吉氏の研究発表「POS DT-1の回路はどこから来たのか」によると、Coron DC-809 Super Distortionが挙げられていました。そこで、検索で見つかったDC-809の基板画像から回路図を起こしてみました。


コンデンサの値は不明ですが抵抗値は一致するものが多く、バイパス方式も同じです。確かにPOSの元になっていると考えてよいでしょう。ただ、トーン回路は全く違っており、コントロール名がWAVEとなっています。シミュレーションすると、ミッドカット周波数を変化させているようです。


DC-809から別のメーカーにコピーされる過程の中のどこかで、WAVE → TONEへと回路が変更されたと考えられます。


【クローン製作 】


POSのクローンを製作しました。バイパス音を改善するには前段にバッファーを置くことが有効ですが、歪みエフェクトの方も元の音から離れてしまうため、トゥルーバイパスとしました。基板右下のジャンパーピンを付け替えると、エフェクト音がPOSのバイパス音になります。

KiCadデータはこちら