MXR M69 Prime Distortion 解析
2025年01月25日 カテゴリー:修理・改造・解析

MXR M69 Prime Distortionは、2013年に数量限定で発売されたエフェクターです。回路図が出回っていないようだったので、解析してみることにしました。KiCadデータ(基板画像入り)とLTspiceの回路図データはGitHubにあります。
▽回路図

入力が繋がったままの古いバイパス方式で、トゥルーバイパスやミレニアムバイパスではありません。電源部には、Super Badass Distortionと同じレギュレーターが使用されています。主要部分は、BOSS DS-1とほとんど同じです(参考:Boss DS-1 Distortion Analysis)。
Custom Badass '78 Distortion(2011年発売)もDS-1に似ています。これのクローンと思われるPedalPCBのPatron DistortionとPrime Distortionを比較すると、違いはクリッピングダイオードだけです。数量限定とはいえ、このように似通ったペダルが販売されたのは不思議に思います。
▽シミュレーション
- DISTORTION 0% → 50% → 100%
DS-1との比較です。高音域・低音域の出方が少し異なっています。
- TONE 0% → 50% → 100%
DS-1の方がトーンポットの値が大きく(20kΩ)、より高音域が出るセッティングにすることが可能です。