KarDiaN Serotonin
2024年11月25日 カテゴリー:修理・改造・解析

今特に人気があるメーカーのエフェクターということで、KarDiaN C10H12N2O Serotonin "ADD CBF"を解析しました。KiCadデータ(基板画像入り)とLTspiceの回路図データはGitHubにあります。
▽回路図

CBFモジュール(回路図上側)は、センド・リターンに接続したエフェクターの音(エフェクト音)とローパスフィルターをかけた原音をブレンドするというものです。エフェクト音側も必ず入力バッファーを通ることに留意が必要かと思います。SW101は、エフェクト音の位相反転スイッチです。
SerotoninはTS(チューブスクリーマー)系として紹介されていることが多いようです。実際は、Timmyの一部定数が違うものにバッファーが加わった形となっています。NJM4558DDはバイアス電圧の部分に使われ、1回路分は使われていない状態です。
他のKarDiaN北田氏設計のエフェクターとして、Altero Custom Guitars KAEDEがあります。このエフェクターのクローンと思われるAcer Overdriveの基板がPedalPCBで販売されており、回路はTimmyの定数違いとなっています。
▽シミュレーション
- C-LPF 0%→50%→100%
前段の非反転増幅のゲインが+15dB程度あります。C-LPFを下げた時は音量自体も少し低下します。
- BASS 0%→50%→100%(DRIVE 50%)
Timmyとの比較です(増幅率を同じに調整)。Serotoninの方がC12が大きい分、少し低音域寄りになります。また、LM1458は帯域幅が狭く、ゲインが高いときに高音域が下がる傾向となります。
- TREBLE 0%→50%→100%
単純なローパスフィルターです。Timmy(50kΩと10nF)やProCo RAT(100kΩと3.3nF)より高音域減少幅は小さくなります。