Palmer POCKET AMP MK 2 解析
2024年09月28日 カテゴリー:修理・改造・解析

VOX amPlug Classic Rockでは、アナログ回路によるキャビネットシミュレーターがありました。他の機種ではどのようになっているのか、Palmer POCKET AMP MK 2を入手し調べました。KiCadデータ(基板画像入り)とLTspiceの回路図データはGitHubにあります。
▽回路図

Tech 21 SansAmp GT2(TONEPADの回路図)やBehringer GDI21に似ていますが、一部の部品の値は異なっています。スライドスイッチのところには、スイッチングノイズを抑える目的と思われる10MΩの抵抗が入っています。
IC2A、IC3BのあたりはTech 21 SansAmp BDDI V1後期型の謎モジュールと同じです。SansAmp GT2は、ある時期から回路が変更されBDDIと同じ謎モジュールが使われるようになったと思われます。そしてPOCKET AMP MK2はその謎モジュールが搭載されたバージョンのGT2を参考にしていると考えられます。
▽シミュレーション
- Amp(VINTAGE BRIT. US )
VINTAGEではフェンダータイプのトーンのように中音域が下がります。BRIT.やUSでは中音域の谷がなく、低音域のカットがあります。
- Mode(CLEAN CRUNCH HEAVY) Mic: CLASSIC
ゲインが変化し、周波数特性も少し変化します。
- Mic(CLASSIC CENTRE OFF X) Mode: CLEAN
キャビネットシミュレータに相当すると思われる部分です。SansAmp BDDIでも同様の回路があります。CENTREやOFF Xでは中音域がカットされます。
- Bass Treble
C28の容量やR36の抵抗値が低いのが影響し、低音域が下がっています。