MXR M169 CARBON COPY ANALOG DELAY 修理・解析

2023年09月27日 カテゴリー:修理・改造・解析




MXR CARBON COPYはかなりの数売れているためか、ジャンク品が多く出回っています。今回手に入れた個体はディレイ音が出ない状態で、回路図がなく故障箇所の特定が困難だったため、解析することにしました。KiCadとLTspiceのデータはGitHubにあります。※このエフェクターの修理は表面実装のICや電解コンデンサの交換が必要となる場合があるため、初心者向きではありません。


▽回路図
MXR CARBON COPY Schematic
BOSS DM-2と似ていて、プリエンファシス・ディエンファシスやBBD前後のローパスフィルタ(LPF)は全く同じ定数です。BBD用のクロック生成には専用IC(MN3102等)ではなく、Small Clone ChorusのようにCD4047が使われています。そしてLFOの回路を接続することによりモジュレーション機能を実現しています。電源部では、供給電圧が10Vを超えたあたりでQ4がオンになり電源供給が遮断されます。高い電圧を接続することにより電源部が故障する可能性は低そうです。

R48を外し、ディレイ音の周波数特性を測定しました。コンパンダのせいか周期スイープでは特性が乱れるため、ホワイトノイズを使用しています。

ディレイタイム最小ではほぼシミュレーション通りですが、ディレイタイムが長くなるとさらに高音域が減るようです。



【修理】
故障している部品を特定する方法としては、サイン波等を入力して回路図上のどこまで入力信号が来ているかを調べるのが一般的だと思います。以下ではその他の修理のヒントについて記載しています。

---2023年11月25日追記---

CARBON COPY MINIと同様のブライトスイッチを追加しました。

特性を確認後、R48を取り付けてホットボンドで覆いました。