FREE THE TONE IRON FOREST IF-1D 解析

2023年08月25日 カテゴリー:修理・改造・解析




FREE THE TONEはプロミュージシャンの機材で目にすることが多いメーカーです。今回は生産終了品のIRON FORESTを中古で入手し解析しました。KiCadとLTspiceの回路図データはGitHubにあります。

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4つのクリッピングダイオードのうち、D3は1S1588のような外観で、おそらく小信号用汎用ダイオードです。D2、D6、D7はあまり見かけないSOD-57というパッケージで、マーキングがないため型番を特定するのはあきらめました。順方向電圧VFを測定すると、1N4148の0.64Vより少し小さい0.60Vと出ました。端子間容量は、LCRメータでを測定すると1nF程度となりうまくいきませんでしたが、周波数特性から推定すると数十pF程度ありそうです。

オペアンプはホットボンドのようなものが付いていましたが、爪で簡単に剥がすことができました。NJM4558Dという一般的なオペアンプが使用されています。同時発売のGIGS BOSONも同様です(参考ページ→FREE THE TONE GIGS BOSON GB-1Vの修理)。特に隠す必要はないように思いますが……



▽回路図
FREE THE TONE IRON FOREST IF-1D Schematic
歪みの回路はシンプルなオペアンプの反転増幅です。LEDインジケーターは電源電圧が約5.5V以下で消灯するようになっています。バイパスはバッファと機械式スイッチを使った方式で、HTSサーキットと命名されています。フリーザトーン代表 林氏のブログに開発秘話が掲載されていますので、併せてご参照ください。
GIGS BOSON & IRON FOREST開発秘話(1)(3)(4)
GIGS BOSON & IRON FOREST開発秘話(2) 設計姿勢とHTSサーキット



▽シミュレーション